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Yasuhiro Koma

海外からも注目を集める日本の盛り上がり!タクティカルFPS『VALORANT』eスポーツ観戦ガイド


PCゲームのタクティカルFPS『VALORANT』(ヴァロラント)は、競技性の高さを追求して開発されており、eスポーツタイトルとしても大きく注目されています。特に、日本のeスポーツシーンにおける盛り上がりは目覚ましく、2023年には国際大会の日本開催も決定しています。


本記事では、『VALORANT』に興味を持った方のために、ゲームの基本ルールや特徴、国内外のeスポーツシーンの概要や大会の仕組みについてご紹介します。



まずは知っておきたい『VALORANT』の基本ルール

『VALORANT』は、5対5のチームで戦うFPSゲームです。マップ内の「サイト」と呼ばれるエリアに「スパイク」(爆弾)を設置するアタッカーサイドと、それを阻止するディフェンダーサイドに分かれて対戦します。


12ラウンドで攻守を交代し、先に13ラウンドを先取したチームが勝利となります。取得ラウンドが12-12に並んだ場合は、「オーバータイム」に突入。どちらかのチームが2ラウンド差をつけて勝利するまで、アタッカーサイドとディフェンダーサイドを交互にプレイします。


アタッカーサイドとディフェンダーサイド、それぞれのラウンド勝利条件は下記の通り。ただ相手を倒すだけでなく、スパイクの設置や解除が勝利条件に含まれているため、より深い駆け引きが生まれます。


・アタッカーサイド

相手チームを全滅させれば勝利

スパイクを設置したあと、起爆させれば勝利


・ディフェンダーサイド

相手チームを全滅させれば勝利

制限時間内にスパイクを設置させなければ勝利

スパイクが設置されたあと、解除すれば勝利


アタッカーサイドでは、サイト内へのスパイク設置を目指す


ディフェンダーサイドでは、スパイク設置の阻止もしくは解除を目指す



多彩なマップとエージェントが、さまざまな戦略を生む

『VALORANT』では、プレイヤーが操作するキャラクターのことを「エージェント」と呼びます。銃撃戦をメインとする『VALORANT』ですが、それぞれのエージェントはユニークなアビリティ(スキル)を4つずつ持っており、それらを駆使することで、より有利に戦うことができます。


現在(2023年4月時点)、エージェントは全部で21人。定期的に新たなエージェントが追加されており、そのたびに戦い方にさまざまな変化が生まれるところも、『VALORANT』の魅力の1つです。


また、エージェントだけでなく、マップも定期的に追加されます。マップにもそれぞれ特徴があるため、マップに応じてどのエージェントを選択するのかも、重要な戦略といえるでしょう。マップの総数は、現在9つ。ただし、プレイできるマップ数は7つに絞られており、対象のマップは時期によってローテーションする仕組みになっています。


索敵スキルを持つエージェント「SOVA(ソーヴァ)」


スパイク設置が可能なサイトが3つ存在するマップ「ヘイヴン」


国内で絶大な人気を誇る『VALORANT』eスポーツシーン

国内eスポーツシーンにおいて『VALORANT』は絶大な人気を誇り、昨年行われた国際大会「VALORANT Champions Tour 2022 Masters1 Reykjavík」(以下、VCT 2022 Masters1 Reykjavík)の配信では、大会公式のYouTubeとTwitch、ストリーマーによるミラー配信を合わせた国内の最高同時接続数が、41万人を突破しました。


また、昨年6月には国内大会の「VCT Challengers Japan Playoff Finals」が、さいたまスーパーアリーナにて開催され、チケットは両日完売。総来場者数は2日間で2万6千人を突破し、国内eスポーツ史上最多動員数を記録しています。


こうした日本での盛り上がりは海外からも高い関心が寄せられ、ついには2023年6月に日本で国際大会の「VCT Masters Tokyo」が開催されることが決定。国内eスポーツシーンに大きな影響を与えるニュースとなりました。


大きなニュースとなった、日本での「VCT Masters Tokyo」開催



世界を驚かせた「ZETA DIVISION」のシンデレラストーリー

この人気を後押ししているのは、日本を代表するプロチーム「ZETA DIVISION」の存在です。もともと日本チームは世界に遅れをとっており、国際大会では思うように結果を残せない、厳しい状況が続いていました。


しかし、昨年の国際大会「VCT 2022 Masters1 Reykjavík」で、「ZETA DIVISION」はこれまでの評価を覆し、世界3位に上りつめる歴史的快挙を成し遂げます。初戦では惨敗とも言える敗北からスタートした「ZETA DIVISION」でしたが、後がない状況からの見事な逆転勝利を収めるなどして、怒涛の快進撃を見せました。


これまで国際大会で何度も大敗を喫してきた日本チームが、世界の強豪チームを次々に打ち破っていく展開は、世界からも「まるでアニメのようだ」と称されたほど。国内では地上波でも取り上げられるなど、大きな話題を呼びました。


世界3位の大躍進を見せた「ZETA DIVISION」(flickr「Valorant Champions Tour Photos」より引用


「ZETA DIVISION」リーダーLaz選手(flickr「Valorant Champions Tour Photos」より引用


世界大会「VCT Champions」を頂点とするグローバルeスポーツ

現在、『VALORANT』のグローバルeスポーツシーンは、世界大会の「VCT Champions」を頂点とする、ピラミッド構造になっています。「VCT Champions」は、世界最高峰の16チームが王者の座を争う、年に1度の世界大会です。


それに続く国際大会として「VCT Masters」があり、その出場権をかけて戦うインターナショナルリーグが存在します。インターナショナルリーグは、Americas(北アメリカ、ブラジル、ラテンアメリカ)、Pacific(東南アジア、韓国、日本、オセアニア)、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の3つの地域で行われています。


「VCT Pacific」のリーグには、日本から「ZETA DIVISION」と「DetonatioN FocusMe」の2チームが出場しています。記念すべき日本開催となる国際大会「VCT Masters Tokyo」への出場権が与えられるのは、リーグの上位3チームまで。日本チームがこの出場権を勝ち取ることができるかどうかに、大きな期待が寄せられています。


なお、インターナショナルリーグに参加するためには、昇格権を争うアセンショントーナメントへ出場する必要があります。日本では、アセンショントーナメントへの出場権をかけた国内大会「VCT Challengers Japan」が行われており、こちらにも高い人気を誇る「Crazy Raccoon」や「FENNEL」などのプロチームが出場しています。


2023年『VALORANT』グローバルeスポーツの大会構造



さまざまな地域のチームが活躍を見せる、国際大会の舞台

『VALORANT』のeスポーツシーンが本格的にスタートしたのは2021年からで、まだ歴史は長くありません。現状、国際大会を連覇するような地域やチームは現れておらず、さまざまなチームが活躍を見せていることも見どころの1つです。これまでの主要な国際大会、および世界大会での優勝チームは、下記の通りです。


■2023年

・VCT 2023 LOCK//IN São Paulo:「Fnatic」(ヨーロッパ)


■2022年

・VCT 2022 Champions:「LOUD」(ブラジル)

・VCT 2022 Masters2 Copenhagen:「FunPlus Phoenix」(ヨーロッパ)

・VCT 2022 Masters1 Reykjavík:「OpTic Gaming」(北アメリカ)


■2021年

・VCT 2021 Champions:「Acend」(ヨーロッパ)

・VCT 2021 Masters3 Berlin:「Gambit Esports」(ロシア)

・VCT 2021 Masters2 Reykjavík:「Sentinels」(北アメリカ)


「VCT 2023 LOCK//IN」で優勝した「Fnatic」(flickr「Valorant Champions Tour Photos」より引用


ますます盛り上がる『VALORANT』の大会を観戦しよう!

2023年の『VALORANT』eスポーツシーンは、これから多くの国際大会を控えています。何と言っても、6月に日本で開催される「VCT Masters Tokyo」は見逃せないでしょう。その後も、7月には世界大会への最後の出場権をかけた「Last Chance Qualifier」が行われ、続く8月には年間最大の世界大会「VCT Champions」が開催されます。


また、『VALORANT』では、女性選手の活躍機会を創出するため、女性限定公式大会の「VCT Game Changers」も行われています。2022年は、日本の女性プロチーム「FENNEL HOTELAVA」が東アジア大会で優勝し、世界大会への進出を果たしました。


大会配信は、YouTubeやTwitchの公式チャンネルより行われます。日本チームの活躍にも大きく期待が寄せられる『VALORANT』のeスポーツ大会観戦を、ぜひ楽しみましょう!


■2023年のグローバルスケジュール

・3~5月:インターナショナルリーグ(Pacific、Americas、EMEA)

・6月:「VCT Masters Tokyo」

・7月:「Last Chance Qualifier」

・8月:「VCT Champions」

・11月:「VCT Game Changers Championship」


■大会配信(日本語)が行われるチャンネル



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